14年前の2004年12月、当社は2店のフルサービスSSを運営していました。
年末に洗車待ち行列ができるのは恒例ですが、その機に乗じて、洗車の前売り券を販売してみたところ、爆発的に売れました。前売り券という「紙切れ」が2,000万円以上の収益になったのです。
ところがその年明け以降、大きなしっぺ返しを食らいます。
スタッフたちは無料の洗車作業に追われ、モチベーションを大きく下げてしまいました。
予想以上の後遺症に悩まされたため、以来、当社は洗車の前売り券の販売をやめました。その後ずっと、「12月の営業利益」がこの年を超えることはありませんでした。
しかし、遂に12月の記録を塗り替えました。昨年12月期の5店合計の営業利益が2,290万円となったのです(表1)。
主役は車検、車販、レンタカーです。前年と比較すると、この3品で1,300万円増加しました。経費が280万円しか増えなかったので、営業利益が1,000万円以上伸びたわけです。
ここしばらく当社SSは燃料油の増収に助けられてきましたが、12月は堂々、油外の増収で経費増をまかなうことができました。
12月は車検、車販、レンタカーの需要期ではありません。にもかかわらず、伸びた要因を以下に述べます。
その方法論を端的に述べると、「人気や需要の高い車種を選び、各SSのマーケットに適正な台数を配備し直した」に過ぎません。「人」に負わず、設備投資だけで直ちに効果が上がります。 レンタカー様様です。
嬉しい話はここまでです。
実は既存の5店が稼いだ収益を、新規に立ち上げた1店がすべて吹き飛ばしてしまいました。先月号で述べた「ニコニコステーション堀之内」(東京都八王子市)です。
昨年10月末にオープンしましたが、蓋を開けてびっくり。2カ月間で2,000万円以上の赤字です(表2)。
経費はほぼ計画どおり。しかし、粗利が計画を大きく下回りました。
オープンイベントが計画より遅れたため、販売活動が思うように運ばなかったことが原因の一つです。しかし、車検販売は前号で述べたとおり順調ですので、早晩、計画値に追いつくでしょう。車販もマーケットに恵まれているので遅れを取り戻せるでしょう。
問題はレンタカーです。
学生が多く、単身世帯が半数を占める商圏ですから、大きな需要を見込みました。まずは50台でオープンし、100台まで増やそうと計画しました。
ところが実際は、オープン前後のどさくさに紛れ、車の調達が間に合いませんでした。14台でスタートし、12月にやっと25台です。
レンタカー収益は300万円でしたから、1台当たり12万円を稼ぎました。これは、フル稼働状態で車がまったく足りていないことを意味します。
当店で借りることができなかった未だ見ぬお客様がどれだけいたことか。もしも100台用意していれば、レンタカーだけで1,000万円の収益が得られただろうに…。オープン2カ月目には黒字転換できただろうに …。悔しくて歯ぎしりする思いです。
年末にようやく駐車場を追加確保できました。目下せっせと増車しているところです。
さて、堀之内SSがオープンして2カ月間、注力したことは次の3つです。 ①来店客のリスト取り、会員化
②車検販売
③レンタカー業務
ーこれらの業務に、素人のアルバイトが大活躍していることを前回述べました。
そもそも30名を超えるアルバイトを短期間で採用できたのは幸運でした。これは周辺に大学が多いという立地条件が大きいわけですが、 募集方法も工夫しましたので、 ご紹介します。
募集広告は、「画像1」(URLのバーコード参照)。 ご興味ある方はご覧ください。
そのポイントは、
オープン後もOJT(実地訓練)に力を入れた結果、昨年11月下旬のオープンイベントまでに正しくリスト獲りができるようになったのが6割、車検販売の上級レベルに達したのが3割です(表3) 。
オープンイベントが終わり、12月は平常営業です。 表4に、(A)オープンイベントまでの慣らし運転、(B)オープンイベント、(C)その後の平常運転の3期間に分けて販売実績をまとめました。
オープンイベントでは、多額の販促費と労力を投入し3,469人の新規客が来店しました。 その後はコストを掛けず、月間3,450人の新規客が来店しています。(深夜帯除く)。 新規客の比率は今後、徐々に下がるでしょう。
しかし新規客を会員化し続ければ、収益ベースの拡大に直結します。新規客獲得(会員化)は、 当SSの販売戦略の根幹です。
しかるに、新規客に対する声掛け率、入会率は、オープンイベントまではいずれも9割でした。それがイベント後は7割にまで下がっています。
未経験のアルバイトが、教えられた通り愚直に行動してくれたのが良かったのですが、わずか1カ月で初心を忘れ、ズル賢くなり、自己流になりつつあるようです。早くも個人別に目標管理をし、評価すべき時期を迎えています。
車検販売はイベント後も順調です。1日当たり50人を投入した「お祭り騒ぎ」 が終わってからも、新規客に対して「当店の車検」を説明すると、半数が予約してくれています。
そう、お客様は変わりません。でも、SSスタッフの気持ちや行動は、放っておくと必ず劣化し ます。12月はさっそく63台の車検入庫がありました。
日ごろの販売活動の蓄積が今後どのように結実するか、楽しみであると同時に、店頭活動レベル が下がらないように手を尽くしたいと思います。