マーケティングインフォメーションコミュニティ(MIC、神奈川県横浜市都筑区仲町台1-27-20,電話045-943-7271、増田信夫社長)は、24日午後1時30分から横浜市都筑区のMICセミナールームで「SSトップセミナー2014」を開催した。今回のテーマは「社長のための車検獲得術」で、増田社長が車検の飛躍的な拡大方法について説明した。
自動車の燃費が向上し、ガソリン需要が減少している現在、SSの来店頻度は減っており、油外の販売チャンスも大幅に減少している。そのような状況の中、SSが勝ち残っていくためにするべきことは、車検の基盤をしっかりと強くすること。ただし、車検を売るためには、会社として販売の基盤をつくることが大事となる。ここが他の油外商品とは違うところで、SSの店長が職務権限を越えてつくることはできない。そこで今回、同社は社長のためのセミナーを開催するに至った。
車検は油外商品の中でも1件あたりの営業利益が比較的高い商材。同社直営SSの年間車検台数はここ数年4,000台を超えており、2012年の年間実績は5SSで4,652台であった。
同社はこの数字を飛躍的に伸ばすため、「車検」に的を絞り、8,000台の伸ばすための「GET8000計画」を立てた。車検が売れる条件づくりをトップ(会社) が行い、SSの所長はスタッフの行動を管理することに徹底させた。
「SS店頭」、DMや紹介などの「店頭派生」、ミラーリングなどの「商圏アタック」、折込チラシなどの「商圏告知」、オリジナルサイトやポータルサイトなどの「インターネット」、看板やラッピングバスなどの「WEB への集客」と項目ごとに目標を立て5SSで約2,500台増を実現。既存客(前々年の車検客)が減ったことで8,000台には約1,300台足らなかったが、新規客を計画以上獲得することができた。
SSは、整備工場やカーショップと異なり新規が取りやすいポジションにある。ただ、既存客は逃げやすいという特徴も。
また、SS利用客に対する車検のアプローチは、人的セールスだけではないということがわかった。車検を実施したSS利用客にアンケートを取ったところ、スタッフからすすめられて実施したと答えた人は16%。チラシなどSSからの案内で実施した人が多かった。
そこで同社は、新規車検を1台獲得するコスト(CPO)を獲得手法別に分析。SS店頭、店頭派生、商圏アタックなど獲得手法によって変わるが、平均1万円であった。
そして、これらの車検獲得手法のうち、経営者が手をつけるべき手法はどれか。車検獲得台数、費用対効果、SSスタッフへの依存度、初期投資を総合的に評価した結果、DM、ミラーリング、チラシが効果的であるという結論に至った。
DM、ミラーリング、
チラシに効果
▶DM= 実施手順はSS来店客の情報(顧客リスト)を集め、リストを車検月ごとに整理し、車検が近づいた顧客にDMを発信。DMは複数種類を用意し、車検満了までの期間に応じて使い分ける。
リスト獲得済客、未獲得客、拒否客、無効客を識別するには、車番認識システムが便利とのこと。
車検DMの最大の課題といえる「多品種少量発信管理」については、同社のワン・トゥ・ワン・マーケティングDMシステム「ポスタリカ」が解決する。
▶ミラーリング=業務委託したミラーリングスタッフが毎月商圏内を巡回し、駐車している車両の車検ステッカーを確認し、運転席側のドアミラーに車検サービスの告知物を取り付ける。
かつて一世を風靡したが、車検ステッカーが小さくなったためなくなった。近年、ステッカーが視認可能になったため復活。このミラーリングの課題は配布者を管理しなければならないこと。これを解決するのは同社のミラーリング支援プログラム「LOGIC Ver5」。SSスタッフに負荷をかけることなく、ダイレクトなエリアマーケティング活動を行うことができる。
▶チラシ=車検の折込チラシの反応率は0.05% 。2,000枚で1台獲得できる。そして、チラシのメリットはリピート率の向上。車検専門店ではリピート率80%も珍しくないが、SSでは平均44% (同社調べ)。車検の既存客が逃げやすいSSが、リピート率を上げるためにするべきことは、①車検完了後、来店時に調子伺い② その後も来店のたびに感謝と気遣い③車検客への特別待遇。
これを行う際に車番認識が威力を発揮する。
ほかにも、先手必勝の店頭活動「エントリー方式」やインターネットの活用方法などの説明があった。