ヤマト自動車工業(大津敏彦代表 取締役)は今年3月、本社にニコニコレンタカー川崎宿河原店をオープン、 レンタカー事業に乗り出した。これまでの新車販売とその顧客を中心にした商売から、レンタカーを通じた地域の新たな顧客の開拓やユーザーとの接点の確保に努めている。参入して8カ月が経過し、車両数をスタート当初から大幅に増やすなど順調なスタートを切ったが、店舗やブランドの認知度向上へさらなる手を打っている。
ディーラーレベルの揺客が強み
整備工場で安心感を与える
同社は新車販売を主体に40年以上にわたって事業を営んできたが、新たにレンタカーを始めたことで「初めてスズキの店があることを知った」(同)人もいるという。 クルマを持たない若い人だけではなく、愛車を手放した年配の人も来店する。レンタカーに対する手ごたえを感じる一方で、「クルマを持っていない人がこんなにいるのか」(同)と実感したという。
同社は「ショールームでディーラーレベルの接客ができる」(同)ことを強みとする。認証工場を持ち、貸し出す車両にメンテナンスが行き届いていることもアピールする。クルマを売ることに加えて”貸す”ビジネスに手を広げ、地域の新たな顧客づくりを進めている。
地域への認知度アップヘ
看板広告や大学への展開も
近隣には大手のレンタカー会社の店舗もある。同社の利用実績は着実に伸びているものの、知名度では「大手との差を感じる」(同)という。そのため宣伝活動にも力を入れている。同社がある通り沿いの駅近くに、看板広告を近く展開する。インターネットでも、同社の周辺でレンタカーの利用を検討するユーザーの検索に対して、同社のサイトが上位に来るように対策を立てている。
これに加えて、同社の近くにある大学のキャンパスにレンタカーの車両を置いてもらえるように現在交渉を進めている。大学生は自動車免許を取得したとしても、クルマを購入するまでには至らないことが多い。同社には大学生が借りに来ることもあり、キャンパス内にレンタカーの車両を置くことで、サークル活動などでの需要を見込んでいる。