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メディア掲載記事

総合経済誌「Fuji Sankei Business i」2013年5月30日掲載

低価格レンタカーのMIC
『育児女性の支援充実で
業績向上』

日刊総合経済誌「Fuji Sankei Business i(フジサンケイビジネスアイ)」でMICが紹介されました。

【飛躍カンパニー】
低価格レンタカーのMIC
『育児女性の支援充実で業績向上』

子育てしながら働きやすい環境を整備することで、女性社員活用を原動力に成長を続けている中堅企業がある。従業員83人(うち女性26人)で、低価格レンタカーのフランチャイズチェーン(FC)展開などを手がけるマーケティングインフォメーションコミュニティ(MIC、横浜市都筑区)だ。

MICで営業開発を担当する中田弥栄(やえ)さんは6月から産休に入るが、すでに出産後の復職を決めている。同社には、育児社員用に取り入れた就業制度があるからだ。「復帰後の働き方を身近で見てきたので、まったく不安はない」と笑顔で言う。

MICは1986年の創業以来、女性を積極採用してきた。営業や企画、コンサルティングなど全業務に女性を配置している。しかし顧客対応で残業が避けられないことなどから、業務に精通した女性が出産を機にやめてしまう事態に悩まされていた。

転機は2006年。ベテランの女性社員2人が産休に入ったことをきっかけに「育児期間限定就業制度(チャイルドケアスキーム=CCS)」を創設した。

採用担当の高橋真由美さんが振り返る。「新人の育成に5年はかかる。ベテラン女性が抜けるたびに痛手で、(抜けた穴を埋めるため)過労で倒れる社員が相次ぎ、これではいけないとなった」

CCSの主な内容は、
・6時間以上8時間までの時間短縮勤務が可能で残業を禁止
・転居を伴う異動は行わず、保育所や学童保育の費用は会社が半額補助
・給与は勤務時間に応じて減額されるが、賞与は生産性に応じた評価に基づく-など。
適用対象は子供が小学校を卒業するまでと、長期にわたるのも特徴だ。

全体業務に支障のないよう、残業のできないCCS利用者と通常勤務の社員を必ず同じチームに配属。CCS利用者の帰宅後に、別の社員が業務を引き継ぐ体制を整えた。 CCSの運用成果は顕著だ。出産を理由にやめる女性がゼロになったほか、昼間に会議を集中させたことで全社的に残業時間が減った。何よりも大きいのは、女性社員の積極活用が業績向上につながったことだ。

MICは2012年6月期に13億4000万円の最終利益を計上、過去5年間で36%増の成長を達成した。同社は、全国のガソリンスタンドなどを対象に市場調査や販売促進支援のほか、中古車を活用した低価格レンタカーショップ「ニコニコレンタカー」のFC展開を主力とする。

市場縮小で石油小売業界が低迷する中、47都道府県に1050店舗をFC展開するなど、MICは成長企業としてぐんぐん頭角を現している。

中小企業にとって優秀な人材の確保は大きな課題。安倍晋三政権が女性活用を唱える中、MICへの注目が高まりそうだ。(滝川麻衣子)