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メディア掲載記事

日刊自動車新聞2012年9月7日掲載

マーケティングインフォメーションコミュニティ
増田信夫社長に聞く
『格安レンタカー最大手のニコレン
中古車で集客、SS活性化へ』

格安レンタカー最大手のニコニコレンタカー(ニコレン)。 店舗数は900店舗を超え、ブランド認知度も高まってきた。またサイドビジネスとして事業を開始する事業者も増え、注目度が高まっている。 これまでの取り組みの経緯と今後の展開について、ニコレンを運営するレンタスの親会社、マーケティングインフォメーションコミュニティ(MIC)の増田信夫社長に聞いた。(石田 智章) 

来店客に好評、収益直結
商品の宣伝にも一役
買取りや代車提供も
-中古車をレンタカーにした経緯は

「ガソリンスタンド(SS)の油外収益確保に向けた取り組みの一環だった。当社はSSの経営支援を主体とする会社だ。チラシや来店特典など集客のしくみを考えていくうちに『廃車・不要車買い取ります』と看板を掲げることも、集客につながることが分かった。ガソリンスタンドでの買い取りは珍しくなかったが、来店客に分かるようにやっていなかった。 始めると、1店舗当たり月に10台ほど 買い取りがあった。解体業者に引き取ってもらったり、オークションで転売する事が多かった が、SSによっては直売していた。そうした中で、レンタカーとして貸し出すことで、収益と集客につながることが分かり、事業化することにした」

-専門の会社を作り、
本格的にフランチャイズ展開を始めた

「レンタスはニコレンを運営するために作った。フランチャイズ事業のため、MICの事業とは性格が異なる。SS以外の整備事業者や中古車販売店なども対象となる点でも、別会社化が最適だ。レンタカーの予約受付は電話が多いので、これをサポートする役割も大きい。SSの油外収益確保が目的だったが、整備や中古車との相性が良く加盟店が順調に増えている」

-中古車を活用する魅力は
どんなところにあるか

「そもそも走れるのに捨てるのはもったいない。発想はそこから来ている。日本車は壊れにくく海外では50万kmも走っているが、国内では10万kmも走ると値かつかなくなる。廃車引き取りは有料が多かったが、買い取ってレンタカーにすればSSを活性化する起爆剤になると思った。価値がないと思われたものが価値を生む。SSであれば、レンタカーを始めるのに必要なものはすでにそろっている。無理なく始められる。中古車の商品そのものの宣伝にもなるので、今では中古車事業者のほうが、相乗効果を引き出しているようだ」

-ニコニコの名前の由来は

「2525円の値段からだが、それも大手レンタカー会社の半額で貸し出そうということで自然と値段が決まった。ニコニコと読むようになったのはその後のことだ。インターネットで知名度を調査すると、今は20%程度の人が知ってくれているようだ」

本業とクルマビジネスで相乗効果を
-レンタカー以外にも
中古車を活用した
事業モデルを検討している

「まずはレンタカーだが、ある程度走行距離がかさむと引退させる。その後は短期リースだ。まだ実験中だが個人や法人など で一般的なリースやローンが適さない人に好評だ。リースでも使えないくらい車が傷むと、ようやく転売する流れになる。オ ークションを使う手もあるが、社内には海外の中古車事業者と直接取引するルートがあり、ここを使えば利益率が高い。
他にも、来店客から買い取った車が稼いだ利益の一部を元の持ち主に還元して買い取りを促進する仕組みや、整備事業者に事故修理の代車を貸し出すサービスを実験的に行っている」

-ニコレンの拡大は
どこまで続くのか

「10年も経てば、ほとんどのSSでレンタカーを始めることになるだろう。仮に1万店のSSが格安レンタカーを始めたとして、ニコレンのシェアが50%だとすると、5千店だ。台数については今、1店舗当たり10台を超えるようサポートしている。特に駐車場の確保が課題となっているか、これが解決でき平均10台を超えると計5万台だ。
SSの数はどんどん減ってしまっているが、中古車の活用や集客、車検入庫などを強化できれば、ガソリンの販売収益がなくともSSの経営はなりたつ。レンタカー市場がどうというより、われわれはSSの経営者たちをサポートしたい。それがマーケティング会社を辞してSSの経営支援の会社を興した私の思いだ」